サラー(礼拝)には、それをやり逃せば場合によってはサラーが無効となってしまういくつかの義務行為が含まれています。ここではそれをご紹介しましょう。
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⑨サラー(礼拝)における義務行為 ● サラーにおける義務行為は以下の通りです:① タクビーラトゥ・アル=イフラーム[1]以外の全てのタクビール[2]。② ルクーゥ(お辞儀の形の礼拝動作)の際に主の偉大さを讃えること。③ ルクーゥを終えた時に「サミアッラーフ・リマン・ハミダフ(アッラーはかれを讃える者をお聞き入れになられよう)」と唱えること(イマームと、単独でサラーを行う者のみ)。④ それに次いで「ラッバナー・ワ・ラカ・アル=ハムド(私たちの主よ、そしてあなたにこそ全ての称賛があります)」と唱えること(イマームと、単独でサラーを行う者と、イマームに従う者全て)。⑤ サジダの際のドゥアー(祈願)。⑥ 2つのサジダの間のドゥアー。⑦ 1度目のタシャッフド(信仰告白)[3]のための座位姿勢。⑧ 1度目のタシャッフド。 ● これらサラーの義務行為を1つでもやり損ねた場合に関する法的見解:これらサラーの義務行為を1つでも故意に放棄した場合、サラーは無効となります。一方もしこれらサラーの義務行為を1つでも無知、あるいは忘却ゆえにやり損ねてしまった場合、もしまだ次のラクアに入っていなければそのやり損ねた箇所に戻り、その動作をやり直してサラーを完遂します。そしてタスリーム[4]の後には不注意によるサジダ[5]を行わなければなりません。 一方何らかの義務行為をやり損ねたまま次のラクアに入ってしまった場合は、やり直しをしないままサラーを継続します。そしてタスリームの後に、不注意によるサジダを行います。 [1] 訳者注:サラーを開始する際に行うタクビールのことです。アッラーが何よりも偉大であり、それ以外の存在はかれなしでは存在することが出来ない小さな存在であることを実感することで、サラー中の畏怖の念を呼び起こし、またかれ以外の何かに心を囚われることがないようにします。 [2] 訳者注:「アッラーフ・アクバル」という言葉を唱えることです。 [3] 訳者注:詳しくは「⑤サラーの形」の項を参照のこと。 [4] 訳者注:礼拝最後の動作で、右と左に振り向いて挨拶すること。 [5] 訳者注:詳しくは「⑪不注意によるサジダ」の項を参照のこと。