⑥定命への信仰 ● 定命とは:以下のような事柄を指します:アッラーの全ての物事に関する知識。アッラーがお望みになられた創造や諸世界、様々な出来事や物事などの発生や出現に関するかれの知識。及びそれらの物事の緻密な設定。またこれらの物事を既にアッ=ラウフ・アル=マフフーズ(護られた碑版)に書き留められているということ。また定命は創造におけるアッラーの秘密であり、かれに近しい天使や預言者でさえも知る得ることはありません。 ● 定命への信仰とは: 崇高なるアッラーが、-実にわれら(アッラーのこと)は、定命をもって全てのものを創った。,(クルアーン54:49)と仰られたように、良いことであれ悪いことであれ、全ての出来事がアッラーの既にお定めになり、かつそのご履行されることであることを確信をもって信じることです。 ● 定命への信仰には4つの物事が含まれます: 1-至高のアッラーが、全ての事象の全体と詳細をご存知であるということを信仰すること。それはこの宇宙の創造や運行、生死の取り決めなど崇高なるアッラーの行為と関連するものであれ、あるいは人間の言葉や行為や状態、動植物や無機物の状態など被造物の行為に関連するものであれ、同様です。至高のアッラーは仰られました:-アッラーこそは7層の天と、そして地においてもそれと同様のものを創られたお方。啓示はその間を下って来る。それはあなた方が、アッラーが全てのことをお出来になり、そしてアッラーが全ての事象を熟知されていることを知るためである。,(クルアーン65:12) 2-至高のアッラーが物事や被造物の状況、糧など全ての物事の詳細設定をアッ=ラウフ・アル=マフフーズ(護られた碑版)に既に書き留められていることを信じること。彼は全ての量や形、時間や場所をあらかじめ定められているのであり、それらはアッラーのご命令なしには変更されたり変化したり、増減したりすることはないのです。 ① 至高のアッラーはこう仰られました:-あなたはアッラーが天地にあるもの全てをご存知であることを知らないのか。実にそれらは全てアッ=ラウフ・アル=マフフーズ(護られた碑版)の中に記載されているのである。そのようなことはアッラーにとって、実に易しいことなのだ。,(クルアーン22:70) ② アブドッラー・ブン・アムル・ブン・アル=アース(彼らにアッラーのご満悦あれ)は言いました:「私はアッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)がこう言うのを聞きました:“アッラーは天地を創られる50000年前に、被造物に関する全ての詳細をお書きになられた。”そして預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:“そして(その時)かれの玉座は水の上にあった。”」(ムスリムの伝承[1]) 3-全ての物事は、アッラーのご意思とお望みに沿ってでしか起こり得ないということを信仰すること。それゆえ発生する全てのことはアッラーのご意思によるものであり、それが宇宙の創造や運行、生死の取り決めなどアッラーの行為に関するものであれ、また言葉や行為や状態など被造物の行為に関することであれ、アッラーがそのようにご意思をもたれたことは実現し、そうでなかったものは実現しません。 ① 至高のアッラーはこう仰られました:-そしてあなたの主は、かれがご意思をもたれ、お選びになったことを創造される。,(クルアーン28:68) ② 至高のアッラーはこう仰られました:-そしてアッラーは、かれがご意思をもたれることを行われる。,(クルアーン14:27) ③ 至高のアッラーはこう仰られました:-そしてもしあなたの主が(そのように)ご意思をもたれていれば、彼らはそうしなかったのだ。,(クルアーン6:112) ④ 至高のアッラーはこう仰られました:-(訓戒は)あなた方の内で、(真実によって)自らを正したいと望む者のためのものである。そしてあなた方は、万有の主アッラーが(そう)ご意思をもたれない限り、何かを意思することはない。,(クルアーン81:28-29) 4-至高のアッラーが全てを創造されるのだという信仰。かれは全ての物事を、その本質、属性、動きなどと共に創造されます。かれの他にはいかなる創造者もいません。 ① 至高のアッラーはこう仰られました:-アッラーは全ての創造主であり、かれにこそ全ての物事は委ねられている。,(クルアーン39:62) ② 至高のアッラーはこう仰られました:-実にわれら(アッラーのこと)は、定命をもって全てのものを創った。,(クルアーン54:49) ③ 至高のアッラーはこう仰られました:-そしてアッラーはあなた方と、あなた方の行うところのものを創られた。,(クルアーン37:96) [1] サヒーフ・ムスリム(2653)。